繋がらない携帯電話から流れてくる音楽は、
ベットから上がり、髪を整える合図である。
まだ時にコートが必要な扉の向こう側が、
彼女に一日の始まりを、皮膚感覚で知らせてくれる。
地下鉄ですれ違う人も、職場で会う人達も、
新しく出来た友達でさえも、彼女の過去を知らない。
今と全く異なった生活をしていた事も、
周囲の知らないままに、人との繋がりを保ちながら、
時は刻まれていく。
そして、茶色のソファに座り、化粧を落とすと、
彼女の一日は終わりを告げる。
そんな彼女は、置いてきた過去を、
惜しむ素振りも無く、とびきり幸せな顔をする。
それは、今この瞬間を、精一杯生きているからなのだろうか。
無意識の中に、分断された過去と現在が、
いつか繋がっていく事を、知っているからなのだろうか。
その理由は、唯一過去を共にした、
繋がらない携帯電話でも、わからないのかも知れない。
そして、何もわかる必要など無いのかも知れない。
彼女が、今を生きている事が幸せならば。
「ウチのベッドは、魔法のベットだと思うの」
休日の二度寝が好きな彼女は、笑いながらそう教えてくれた。
過去に栄光があったとしても、
例え辛く苦しい時代があったとしても、
私達の唯一生きることのできる場所は今なのだと、
彼女に教わった気がした。
いつも、ありがとうございます。

- 株式会社呉竹(くれたけ心理相談室、呉竹コンサルティングサービス)
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