ひとつ・ひとつ・・・

知り合った当初、彼女は失意のどん底にいた。

家庭の災難そして、貧困な生活を余儀なくされる。
その後、生活の為に、メークアップ・アーチストとなる。

メイクをご職業にされている方は、多いと思うが、
それだけでご飯を、食べていける人にまでなった。

生活の為の必死さが、
業界でも、その名前を知らしめるようになった。

しかし、
数年前、その名声を簡単に手放した。

山に登りきった時、そこに自分の求めるものは、
存在しなかった事に気付いたそうだ。

 

その後、結婚。
２度目の結婚は、幸せな家庭を築きはじめる。

しかし、職業は変われど
相変わらず、分刻みのスケジュールをこなしていた。

そして今日、久しぶりにお会いして、
数々の奉仕活動も含め、精力的に活動されている事を知った。

ただ、今までと決定的に違うのは、
時間的余裕というものも、手に入れた様子であった。

「掴もう、掴もうと必死になっていた時も、
それなりに成果があったけど、追っかけるのは止めて、
目の前にあるものを、ただ大切にしていったらね、
ゆとりと収入が余計出てきちゃったの。」

経済のゆとりから、人間関係、時間と
ひとつひとつ変化をされていく姿を、見させてもらった。

 

とある機関が最近劇場公開した、
彼女のドキュメンタリーを見せてもらった。
出演していた、彼女に関わる人達が、
皆、笑顔である事に気付く。

知り合った当初からの、
彼女の口ぐせを思い出した。
「ありがとう」と「感謝してます」

素敵なランチタイムを、ありがとう