「また名古屋に戻ってきます」
数年前に彼女はそう言って、長く生まれ育った街を離れた。
そして、数年経った今
おそらく既に慣れている今の生活を手放し
あの時の
言葉のとおり名古屋に戻ってくる。
戻ってくると言った言葉は、
もちろん彼女の意思で、
軌道修正をしても、何ら問題はないし、
選択の自由は、自分自身に委ねられている。
誰かとした約束なのか
自分とした約束なのか
それはわからないけど
多分、その約束は、
彼女が生きてきたこの数年間の、
糧になっていたことは確かだったと思いたい。
何かを目指すことは、
それを背負うことではなく、
糧にすることなんだと
示してくれた気がする。
日々の生活の中で、
少しづつ準備を重ね、
あたりまえのように、心の故郷に向かう