とある物語(フィクション)

とある物語(フィクション)
こころの換気

  「お墓まで、持っていくつもりでした」 少し間を置いて、 彼女は、今まで心の奥底にしまっておいたものを、 ひとつひとつ、テーブルに並べ始めた。 小さな頃から、 誰にも話せなかった自分の歴史。 自分自身が汚れて […]

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とある物語(フィクション)
美しい少年

    あるお店に入りました。 ふと見ると、腰の曲がったご婦人が、 両手に荷物を持って、お店から出るところでした。 中学生くらいの男の子が、 すかさず出入口へ歩いていって、手動の扉を開けたのでした。 […]

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とある物語(フィクション)
勘違いの愛

    社会人になり数年経った時、 彼は両親に、結婚がしたいと話した。 両親は、即座に猛反対をした。   相手は、彼より年上。 そして離婚歴があり、子供を二人抱えた女性であった。 そして、両 […]

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つれづれ
大人になること

    信号待ちの交差点。 横断歩道の向こう側に 少し大人びた君を見つける 家族に連れられていた君が、 時を経て、家族を連れている人になっていた。   そして、私に気付いて、 笑顔を向けてく […]

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とある物語(フィクション)
解釈

  ある人が、批判をされていた。 わがままだとか 何も考えてないとか そんな事を、言われていた。   その批判をされた人は、 心から自分を磨いて 人の為に、役に立ちたいと いつも真剣に、考えている人だ […]

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とある物語(フィクション)
衝動

あの頃は、 なんとなく仕事をこなして すごい満足とはいかないけど、 普通に暮らしが成り立って 幸せに過ごしているはずなんだけど 何か物足らなさや、虚しさが 時折襲ってきてたんです。   本当にやりたいことって […]

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パートナーとのこと
解決の糸口

彼女は、「愛していると、いつも言って欲しい」と言った。 彼は、「いちいち確認しないのが、信じ合えてる証拠じゃないか」と言った。   そして、二人は散々討論した後、ひとつの結論に至った。   &nbsp […]

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とある物語(フィクション)
彼女

  繋がらない携帯電話から流れてくる音楽は、 ベットから上がり、髪を整える合図である。 まだ時にコートが必要な扉の向こう側が、 彼女に一日の始まりを、皮膚感覚で知らせてくれる。   地下鉄ですれ違う人 […]

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とある物語(フィクション)
囲いが外れた時

  彼女は仕事が終わると、駅前のカフェでコーヒーを飲むことが習慣になっていた。 水曜日の夕方、いつものようにカフェに入ると、顔なじみのウエイトレスが、いつものように幸せそうな微笑みで応対してくれた。同じテーブル […]

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