とある物語(フィクション)

とある物語(フィクション)
最初の一枚

自分自身を抑圧してしまう事が、 小さくは無い心の負担となっていた。 解決する方法のひとつは、 高圧的だった父親との関係を、クリアしていく事と思っていた。 そして、様々な方法を試してみたが、 彼の望む改善は見られなかったそ […]

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とある物語(フィクション)
爽やかな朝日

  恋人同士だった頃、よく通った店で、 男と女は時を経て、いつか居たテーブルに座っていた。 出合った頃の胸の高鳴りも、別れた時の緊迫感も、 そこには存在する事無く、 アドレスを消した日からの続きを、自然に、自然 […]

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とある物語(フィクション)
蓋の上の石

夢に描いた新しい生活は、 すぐに心地の良くない現実を知る事になる。 外から見える、何不自由無い家庭が、 幸せと呼ぶ蓋によって、心の自由を閉じ込めていった。 何度も、向き合おうと試みたが、 次第にそれも、あきらめに変わって […]

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とある物語(フィクション)
スキップ

「最近、会社に行きたくないんですよ・・・」 「根本的な話は、次回お会いした時にしますが、 直ぐにでも行きたくなるように、なりたいですか?」 「はい・・・」 「では、誰でも簡単に出来る事を今から言いますので、 3日間それを […]

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キャスティング

彼女は迷っていた。 最近、嫌な性格が目に付いてしまう彼との関係を、 この先どうして行こうかと 前に付き合っていた人も、 姿かたちは違えど、似たような性格で 悩んだ末に、別れを告げた事がある。 それは、 彼女自身の心を投影 […]

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とある物語(フィクション)
喜びの持ち方

いつもより早く目覚めた、土曜の朝 彼女はカーテンを開け 肌寒い風を感じながら掃除をし始めた 昨日、少し無理をしてお願いした 美容院の予約時間に、車を走らせる ショッピングモールでは あの人が、好きだと言っていたワインとC […]

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ありがとうを言わなかった彼女

  ウェイトレスは、向かい側に置いてあったフォークとナイフと、氷の解けてしまったグラスを、そそくさと片付けた。 男は、さっきまで向かい側に座っていた人との、出会いからの日々を回想しながら、ひとりのテーブルで食事 […]

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男と女の会話

  男の部屋で、彼女は真剣な目つきで、 パソコンに向かっていた。 男「何見てるの?」 女「えっ、あなたのシャツを探してるの」 男「ふーん、どうして?」 女「だって、もうすぐ私の誕生日だから・・・」 男「何で、君 […]

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とある物語(フィクション)
困難から生まれたもの

彼女は、明日墓参りに行くと、ふと漏らした。 今までは、自分から墓参りをするタイプでは決してなかった。 少し前、生死に関わる大掛かりな手術をした人。 人は、傷付いた分、壁に当たった分、 優しさや、感謝の心を持つのだろうか。 […]

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