幼い頃、祖母に涙を見せると、「男の子は泣くんじゃないよ」と、きつく嗜められました。普段はとても優しくて、大好きな祖母でしたので、その言葉は心に刻み込まれました。
その影響かどうかは定かではありませんが、私の中で人前で涙を見せない(見せてはいけない)という性格が、形成されていきました。それは、心を無理に抑圧しているにもかかわらず、その不自由さを感じる事を、無意識の中で拒んでいる状態でした。
無理に抑圧された感情は、どこかでひずみがでてきたりします。それは人間関係や、生き方自体に影響がありました。
自分の素直な心を表現できないと、相手にもどこか理解をされず、自分自身にも信用ができなかったので、いろんな事がうまくいっても、それを自ら壊してしまうという時間を過ごしていました。
30代の頃、ある機会に恵まれました。それは仕事もプライベートもどん底に思えた時期でした。
それは、ひとりの知人とのやりとりでした。
その方とは、会うといつも冗談しか言い合わない関係の方でした。普段どおりにお会いして会話を交わしている時でした。その時の私の落ち込んだ空気感を察してか、いつも笑ってる顔しか見せないその人が、突然「がんばってきたよね。。。」と私の肩を抱いて、ポツリとつぶやいてくれたのです。
不意に来たその言葉に、人前で見せなかった涙が、成人して初めて、止まること無く溢れ出てきました。自分の今や過去をまるごと受け容れてくれている姿勢を感じた時、何も防御する必要はないという認識をしたのでしょうか。積み重ねてきたものが、全て流れ出たと感じるくらい長い時間号泣していた記憶があります。
固く覆われた ゆで卵の殻は、一旦ヒビが入ると後は自然に向けていくように、その時を境に、徐々に自己開示が出来るようになりました。そして、そこから人生に大きな変化が起きました。心ってこんなに軽いんだ。。。という感覚を味わわせていただきました。
祖母の「泣くんじゃないよ」という言葉も、「がんばってきたよね」という知人の言葉も、どちらも同じくらい大切なメッセージだったと思います。いつでも開示してもいいよ。という許可の上で、心をコントロールが出来る。という、ある意味両極を統合した在り方を、このお二人に教えていただいた気がします。
※あなたの「泣いた時の話」を教えて下さい(くれたけQuestion #10)
傘もあるし長靴もある エアコンもあって毛布もある
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今日も一日おたのしみさまでした。
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