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わが家 | 竹内嘉浩 Official | 心理カウンセリング
慌しく過ぎる日々の中から、少し強引に、彼女は小さな旅行を実行した。ナイフとフォークを持ちながら、友といろんな事を語ってみる。使っていなかった、少し高めの声のトーンを、久し振りに感じてみた。良い時間だった。 日常に戻り、いつもと変わらぬ一日を過ごし改札をくぐりぬけた。電車がリズムを刻みながら、前より確実に細くなった肩が、夜の窓に揺れていた。私の行き先は、疲れた足を、労わる事のできるわが家。それは、生まれた頃に感じていたはずの、柔らかで、心地よい空間。 我が家