■季節を感じた瞬間

「おはようございます、準備お願いします」
毎朝、携帯電話で僕は起された。
その日の予定もわからないまま、車に乗せられて、
コンビニでパンと缶コーヒーを買い、目の前の仕事をこなしていた。
そして、帰りは深夜。
車や電車の中と、どこかの部屋や会場にしか身を置いていない。
その繰り返しの日々が、半年以上も続いていた。
人はそれを、多忙な毎日と呼ぶのだろう。
だが、やっている本人は、ぜんまい仕掛けの人形のように、
意識も無く、言われるままに身を任せていただけであった。
ある時、知り合いの女性が、
ぬくもりの残る袋を、僕に手渡してくれた。
「実家で取れた枝豆なんですけど、食べてください」
枝豆は、それほど好きな食べ物ではなかったが、
お礼を言って、家に持ち帰った。
灯りをつけ、テーブルの上に置かれたそれを、
少しの間眺めていた。
そういえば、ここしばらくは、
まともな食事をしていない事にふと気付く。
枝豆を口に入れた。
「もう夏の入り口なんだ・・・」
そう思いながら、何故か涙が出てきた。
別に、悲しいわけでも無く、
今を不幸だと、感じている訳でも無い。
ただ季節を感じれた事が、嬉しかった。
まだ通っているぬくもりと、
塩の香りと、初夏の味が嬉しかった。
それからしばらくの間も、相変わらずの日々であったが、
その日から心の通った言葉が、僕の口から出るようになった気がした。
頼まれ事を、ただただ引き受け歩いていると、
様々なものを授かるものだと、感じた時だった。

良き一日でありますように

竹内 嘉浩
竹内 嘉浩株式会社呉竹(くれたけ心理相談室、呉竹コンサルティングサービス)
There is no time like the present.

カウンセリング・コンサルティングのご予約 

■季節を感じた瞬間” に対して 0 件のコメントがあります

  1. ComfortBox より:

    SECRET: 0
    PASS:
    “その日から心の通った言葉が、僕の口から出るようになった気がした。”
    なんか人間味があってじんと来ました。

  2. ComfortBox より:

    SECRET: 0
    PASS:
    “その日から心の通った言葉が、僕の口から出るようになった気がした。”
    なんか人間味があってじんと来ました。

  3. 竹内嘉浩 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    コメント、ありがとうございます!
    これからも、よろしくお願い申し上げます。

  4. 竹内嘉浩 より:

    SECRET: 0
    PASS:
    コメント、ありがとうございます!
    これからも、よろしくお願い申し上げます。

メッセージはお気軽にどうぞ